アメリカボルツアー2002の壱っす --BISHOP編

2002年の後半、”Nao”三由は久しぶりにアメリカの石の上に立っていた、これはその体験リポート。さてBISHOPへ到着した一行の前に、待ち構えていたようにある大イベント開催のビラが…

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写真1

 

注1:BISHOPにある唯一のマウンテンショップ。山屋。隣町のマンモスレイク(スキーリゾート!)の店と比べるとモサイ。

注2:BISHOPにある有名なリソール屋。カスタムリソール以外は嫌気がする俺様も、この仕事には唸ってしまう。ここの店員はサイコー。店員に初登課題は何か聞いてみな、凄いよ。

注3:BISHOPにあるカフェ。味はオレ様の口には合わない。チェスと情報、出会いが売りもの。

注4:Chris Sharma 知らないとは言わせないよ(笑)。でも知らない人の為に例えるならば、フリークライミング界のアントニオ猪木?。

注5:Dave Graham 今やChrisを凌ぐ人気で、アイドル顔(らしい。女性のほとんどがそう言う)。その営業トークは凄まじい。プロクライマーHを思い出す。

注6:Jason Kehl 男ホレNo.1! その奇怪な風貌からは想像できないくらい紳士。課題に打ち込む態度も真摯。背が思ったより低い。172-3?メッチャカッコエー!

注7:Lisa Rands 特別美人なわけではないが、死ぬ程好き。サイコー。クライミング一生懸命な女性に興味はないが、彼女は別。外のボルダリングで彼女より優れている日本人は少ないと思う。

 俺様達一行がBISHOPに到着したばかりの頃、すでにWILSON'S(注1)やRUBBER ROOM(注2)KAVA(注3)などであるイベント告知が行われていた、"PETZL WORLD TOUR "ROC TRIP BISHOP"---
このビラがとてつもなくカッコイイ!クリスがSAIGON _DIRECTでブラ下がっている写真、シビレルネー。俺様はこの写真を見て初めて"BISHOPで登ってみたい!"と感じた。

そのビラには参加クライマーの名前がずらり。Chris(注4)やDave(注5)はもちろん、実体の知られていないJason(注6)の名前まである。個人的に大好きなLisa(注7)やJoe(注8)も来るらしい。まだ一ヶ月以上先(THANKSGIVING WEEKENDに開催)の話なのに、この話題でやたら盛り上がる! 裏面にはスケジュールが記載されており(写真1)、11/29(金)は前夜祭として、ビショップユニオンハイスクールにてChris Sharmaのスライドショー。11/30(土)はコンペ当日、賞金の総額$8000がアクセスファンドに寄付されるらしい。

さらに20:00からはビショップから9マイルにある集落にて、表彰式とTim O'Neill Entertainment!(注9)

11/29の19:00。
俺様と旅を続けている九州クライマー:アキちゃんと共に、図書館でのメール、洗濯を終えて外に出てみると、広くないBISHOPの町-数少ない無料駐車場が一杯になっている。それだけではなく、高校に向かう道のりも違法駐車でイッパイだ。会場は高校の講堂にて行われるようで、たくさんの人たちが吸い込まれて行く。入り口では次の日のコンペのエントリーを受け付けていた。そこで今回のコンペの主旨の説明とSCORE CARDをもらう。

今回のコンペの基本システムは過去行われた、WINGやB3、九州生石コンペ、フェニックスコンペ、と同様のものである。違うのは一課題ごとに割り当てられたのが得点ではなく、賞金!その賞金総額を競うというもの。そしてその賞金を合算し、すべてをアクセスファンドに寄付する。つまりより多くの寄付が目的なので、『順位を競わずに楽しんでやりましょう』てことらしい、ちなみにそのレートは。
V0以下=$1、V1=$2、V3=$4、V4=$5、V5=$7、V6=$10、V7=$15、V8=$20、V9=$35、V10=$50、V11=$100、V12=$150、projects=+$100、grand slam=+$500!

 アメリカで知り合った奴等との挨拶、イベント写真を撮ってまわると、会場は2階席まで満員。神奈川から来ている金子夫妻の隣に陣取り人数を数えてみる、600人はいるだろうか。(写真2)
 そうこうする間に関係者挨拶が始まる。Sharma FundAccess Fundについての説明、Inyo National Forestのおっちゃんの挨拶及び規制(コンペ当日の犬のケアやトイレ問題、立ち入り禁止エリアの説明、駐車場所の制限等)が話される。

 そして招待選手の紹介。有名人が次々紹介されていく。チラシに記載されていなかったObe(注10)、Josune(いるはずなのに呼んでも出てこない!)(注11)の紹介もありヨーロッパチームも含めると20人以上!俺様はヨーロッパ人に詳しくないので誰がだれやら分からなかったけれどね。(クリスチャン=ブレナは帰ってきてから知った。どーでもいーけど。)期待していたLiv Sansoz(注12)は結局紹介されなかった。

20:00
まず始まったのがヨーロッパチームの"アイスクライミングDVD"上映会。カナダはMUSASHIでのトライ風景や、コンペシーンが立て続けに紹介されて行く。それまでのアイスクライミングの概念(のんびり、ダセーメット)を打ち壊すコンペシーンの連続にどよめきが起こる。ダイノダイノフィギュア4ダイノ。それまで俺様が知っていたものも既に通用しなくなっている!→44ダイノ4。
なかには筋肉番付をコピーしたかのような設定も、なんじゃこりゃーって。そのうち日本でも発売されるんじゃない?これ。ボルダリングシーンもでてくるけどカッコワリーよ、かなりヨーロッパ。

Chris君のスライドショーが始まる。まずは5.15の評価を受けた"あれ"について。まー内容は"難しい!"ってこと。写真も、良いアングルが無い、暗い天気だとの事で、そんなに枚数も無く、既に雑誌等で紹介されているものばかりでサクサク進む。俺様もそんなに興味ないし。そのあとにヨーロッパ各地を廻って登った写真や風景写真が続く(これはとても良い)。
中でもDREAMTIME(V15)(注13)再登のシークエンスはサイコー!良い写真が撮れない場所と言われていたのに、あれだけカッコイイー連続写真がみられるとは!リップの連続部分なんて悲鳴が出るよ。俺様スローパー大嫌いだから。

そして大半の時間を費やされたのが、アジア旅行。中でも、プラナカップをすっぽかして、知っていたのに、メールもしたのに、行ってしまった"四国お遍路ツアー"(クリスの足跡が見れます)は気合いが入っていた。ここはホント一生懸命喋る、熱入ってる。ホントはこの部分だけ喋りたかったんじゃないの?と思わせるくらい。ひたすら現地での生活の模様を語ってくれた。坊主にしてみたり、宴会してみたり、一緒に歩いたおっさんのアップ写真とか。そしてお遍路の途中で習ったという尺八の独演!5分以上10分未満。コリャビックリダヨシャッチョサン!だって信じられないくらい上手い。ちょっと感動するよ。マジデ。

 もちろん御嵩や小川山の写真もでてくる。観客の関心を一番ひいていた。なぜって?ショーが終わった後、仲の良い奴等からの質問攻めだったから。『ミタケワードンナトコロデシタカ?』『Two Monksノーレイトワーナニデスカ?(注14)』てかんじで。もちろん外人弁じゃなくて米語だよ。
全体の30%は日本とインドの話しで終始し、有名なCORDLESSのポスターの経緯も聞けたし。(シバ神に扮した子供がスポットしてるの。持ってないの?知らないの?そりゃ不幸だね。)いかに彼がアジアの方を向き、影響されているか、今まで以上に良く分かった。正直、Chrisなんてどーでもよかったはずなんだけどね。やっぱ凄すぎて。アキちゃんなんて、ウットリしちゃって。

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バターミルク

 

注8:Joe Kinder 俺様に似てる。ルックスじゃなくて、不真面目なところが。
登っているところは少ししか見てないけど、ナンパしてるところは良く見る。聞いてもいないのにシークエンスの説明が始まるのはDave君と同じ、ウザイ。Uncommon Ground VHS(最高!)を買えばカッコよさ(悪さ)がわかるよ。

注9:Timmy O'Neill かなり狂った人。Dean "speedy" Potterのパートナーていうと分かりやすい?

注10:Obe Carrion 白人社会で闘っている彼はとても真面目。Jasonといつも一緒。セッションの態度はJason同様とてもカッコ良いのだ。ヨーロッパチームも少しは見習えよ!

注11:Josune Bereziartu 世界最強の女性クライマー。ということしかしらない。ボルダーは好きじゃないのか、あまり得意でないような印象。

注12:Liv SansozビデオDOSAGEでファンになった人も多いはず。その美貌と完全スタティックなクライミングスタイルは芸術。俺様は全然好きじゃない。彼女の顔が好きな人はDVD買っちゃダメ!

 

写真2

 

注13:世界初のV15。初登者はダウンレイティングされやすい彼。でもDave君の御墨付きで安心だね!

注:14:Chris君は初登したプロブレムに名前も付けなきゃ、レイティングもしない。だから名前の付いた彼の課題が、日本にあることが彼等には信じられない。そのことからも、アメリカ人の驚きは想像つくよね?考えてもみてよ、MANDALA以外で彼の名前の付いた課題いくつ知ってる?ちなみに、良く似た彼の課題で、IRON FLY(V8最近V9に)ってのがあって、それより難しいって言っておいた。