■今年もやってきた宮城の国営公園公認コンペだ!


予選課題の一つ

 

平成11年11月12日、国営みちのくの杜湖畔公園にて、第3回仙台山岳会主催ボルダーコンペが行われた。

今回は去年と違って関東勢が多数(コンペ参加者、東北・関東ひっくるめて45人)参加し、東北勢の実力を知るにも絶好の機会となるコンペであった。

形式は、それぞれ点数付けされた予選13課題(7〜2級)を2時間の制限時間内に自由に何回でもトライし、完登の場合に点数を獲得、合計得点上位10名を決勝に進出させるというもの。

決勝は特別セッターである室井登喜男氏のデモンストレーションのあと、1〜初段の3課題を3ローテーションでそれぞれ登る形式。予選はランニングダイノ、リップトラバース、カンテレイバック、ズリズリスラブ、カチカチフェイスなど、初心者から上級者まで楽しめる課題設定とした。

←予選課題ランニングダイノ

予選の最中はあちこちで歓声や声援が飛び交い、初心者上級者入り乱れてのボルダーバトルやボルダー指導など、初対面同士でも打ち解けあい、みんなそれぞれ楽しそうにセッションしていた。
依頼時点ではあまり乗り気じゃなさそうだったという室井氏も、事前に送ったビデオと前日の設定日でえらくお気に入りとなり、「ここはすごいところですね〜」と喜んでいた。室井氏は当日ビデオ撮りとボルダー指導にあたっていたので、セッションにあまり参加できず、ちょっとかわいそうだったかな。

これも予選課題、ランジを決めているのはごぞんじ関東から参加の実力者、松本明

決勝進出者は関東勢:中島学、井上弘行、松本明、勝井武志、丹宗哲之、東北勢;大西良治、伊藤克良、土田周、大坪篤示、芝田洋市、
そして前日予選課題設定に参加したためオープンエントリーとなった竹内肇と宮脇岳雄の12人が予選全課題を完登(獲得点数110点)し、10+2名で決勝に進んだ。予定通り10人勝ち抜けをし向けたセッター連中の設定眼にも拍手。

決勝はSDフェイス、トラバースからカンテ直上、ポケット・ミリカチスラブの3課題。室井氏のデモ登りの後、「ほんとにあのムーブが正解か?」と疑うことから始まる。だって、あっさり登りすぎて、核心わかんないんだモン。でも、あまり有名人を見る機会のない東北モンには、勉強になりますわ。

予選とは違った衆人環視の息詰まる雰囲気の中、まず大西が1課題目のSDフェイスを2便目で完登、そして割れんばかりの大歓声!

続いて芝田も同着完投、拍手の渦を引き起こした。
2課題目のトラバースカンテは大西が核心カチホールドを欠落させて逃げ切り(笑!)を図り(ここで半グレードはアップした)、最後のポケット・ミリカチスラブを大西1便目完登、芝田が1便目を逃した時点で大西の優勝が決まった。

決勝トラバース課題→

 

基本的に3課題ともスラブ系。まさに大西の真骨頂。彼のスラブ足上げはマジですごい!結局順位は並み居る関東勢を退けて、優勝 大西良治(総獲得点数160点:宮城)2位 芝田洋市(総獲得点数140点:福島)3位 伊藤克良(総獲得点数130点:宮城)の123を東北勢が独占!東北勢が関東にも通用することが証明された。俺達も結構やるもんだなぁ・・・。

同時に女子参加者選抜の決勝ラウンドも行われ、女子参加者には辛そうなハイボール課題を高橋が制した。
優勝 高橋早映 (総獲得点数29点 決勝4級課題1トライ目完登)2位 小林未奈 (総獲得点数29点 決勝4級課題2トライ目完登)3位 中野美智子(総獲得点数22点 )

ちなみに総合優勝商品は協賛の仙台ICIからFIVETEN靴何でも買える券、2位はミニサイズクラッシュパッド、3位はロープ。赤サジのソールを何度も張り替えて騙し騙し使っていた大西、やっと新しいシューズが手に入ると大喜び!

 

そしてここからが本番。フリータイムでの室井氏を交えた大セッション大会!スローパーへのダブルダイノ、室井氏設定のハイボールカンテやスーパーランジ、カンテフェイスなどなど、みんなで登りまくり!作りまくり!まさにセッション!人工壁でのセッションや既製課題のセッションとはひと味違ったあの雰囲気と盛り上がり。

 

ボルコンと言えばお約束、「セッションタイム」のスーパーダブルダイノ

 

「このライン良さそうじゃない?」「めんどくさいから飛んじゃえよ!」「あれ限定した方が楽しいって!」等々、セッションタイムはおもしろすぎた!

こうして日も陰ってきてタイムアップ。みんな「まだ登りてぇ〜」といいながら、それぞれ、遠く近くの岐路についた。また来年まで登れないのよね〜。

前回も書いたが、コンペ会場は通常登攀禁止のため、来年につなげるためにも絶対登らないこと!毎年コンペにまでこぎつけて運営までしてくれている仙台山岳会の方々の努力を無駄にしないよう切に願う!

前列左から、優勝者の大西良治、「どーだ!東北ボルダラーの力は!」なセッター宮脇、和尚。(後ろでソ〜っと見切れているのがゲストセッター室井登喜男)

 

遠くから来てくれたみなさん、近県の参加者のみなさん、協賛のICI仙台店さん、そして運営に当たってくれた仙台山岳会の方々と、良質の課題を提供してくれた室井登喜男さん、本当にありがとうございました!

おめぇら!来年もまた楽しもうゼ!(来年もあればね)

(記/仙台ボルダラー)
関連:仙台RCCホームページ