プロボルダラー”KEI”インタビュー 登って食えるプロボルダラー”KEI”、一般誌には良く登場するが我が国のクライミング専門誌に登場する事はまずない。それゆえにこの男のスタイルを知るボルダラー/クライマーはごく少ない。自ら「アンダーグラウンド」を自認するこの男の主義は”初登課題を発表しない””他人の課題を登らない”というそれはそれは非常識で人によっては迷惑ともとれるものだ。しかし、そこはB.net、「面白いヤツ」には話を聞いてみるのである。 |
”KEI” プロフィール |
サポートチーム(順不同):BOUNTY HUNTER,チームルミナ,チームマッハ,MACK DADDY,AG,SNT,bootleg booth,KAZZ ROCK,WHOEVER,BRAH MAN(ミュージシャン),56TATTOO STUDIO (8/26に千葉マリンスタジアムで行われる”AIR JAM”にボルダラーとして出演するKEIのサングラス、実は某有名メーカーのKEIスペシャルモデルらしい) |
B.net--クライミングを初めるまでは? KEI ”ケンカ屋”。ただのストリートファイターです、で、クライミングで更正しました。でもクライミングをはじめた後にも×××ってます。(笑) |
ま、それは・・・、×××にしておこう。 KEI クライミングは初めて今年で7年目かな、3年目くらいまではリードもやっていたんだけど、当面の目標の5.13登った時に、「何で他人の力を借りて登ってるんだろう?」って思って。コレ、リードクライマーの人達にはすごく失礼な言い方かもしれないけど「何で下に人がいてその人の力で下ろしてもらったりするんだろう?」って。 それ、あるよね(笑) KEI 室井登喜男にクライミングを教えてもらって、そこでボルダリングを知って、、で、ボルダーをやってるうちに今の極端なスタイル”他人が登ったところは登る必要はない、コンペに出る必要もない、自分ができない事を一手でもできればそれがボルダリングだ”と、そういうふうになっちゃって。 うん。 |
KEI これ聞いてムカツク人もいると思いますけど、ムカツクんだったら僕と登ったほうがいいです(笑)。 なるほど。 |
KEI 細かいホールドに何回も何回もトライするだけの強い体をもっているだけ、クライミングはたぶんヘタだと思う。 ま、壊れてもすぐに復帰しちゃうしね。 KEI たぶん、何かトカゲみたいなもんで(笑)。 ちょんぎれてもすぐに生えてきそう(笑)。 KEI そうそうそう、だから申し訳ないのは一緒に登ってる人がどんどんリタイヤしちゃう事、パキったりして。もったいないと思う、みんな体壊しちゃう(笑)。 |
KEI なぜ(初登した)課題を発表しないのか?って聞かれるんだけど、発表する事によって誰かがその課題をトライして落ちてケガをする。で、運悪ければ死ぬ。 で、「そんな事ないよ」って言ってくれる人はたくさんいると思うんだけど、でも、それはあくまでボルダラーとかクライマーの中での話で、その人の親兄弟や彼女に限ってみれば「あの課題のせいで・・・」って思いはどっかに残ると思う。 |
そういう部分に賛同してくれる人間が必ず世の中にはいるから、僕は今のボルダリングスタイルを今の所変える気はなったくない。 僕の仲間に「何かいい課題ない?」って聞かれれば教えるかもしれないけど、でもそれはやっぱり友達だから責任がとれるっていう部分もあるし。 |
「記録は公共物」ていう意味でうちとしては発表してほしい、他の初登を狙うボルダラーに迷惑だから。でも、現実としては個人の考え方までは強制できない。 KEI だからもし知りたければボクの所まで来て、僕と一緒に登って仲良くなればもちろん教えられるし、ただ、公にトポとして、例えば「危険」って書いて出すのもいいんだろうけど、でも、そうじゃないって気もするし。 本人が納得してトライしてるって意味ではどう?でも家族にはそこまでの理解はないかもしれないって事? KEI うん、今は・・・僕はね。 じゃ、社会的に理解されるようになったら(発表の)可能性はあるって事? KEI うん、あとは「人が死ぬ」って事に対して、たぶんみんなあまり理解してないような気がする。 「自分だけは無い」って思っているヒトもいるかもしれないって事かな? KEI そうそう。 |
> 次のページへ >