KEI だから僕なんかも、どの課題とはここじゃ言わないけど御岳のある課題をやっていてろっ骨折ったりしてるし、運が悪ければ死んでるし。
何て言うのかな、何億年もの歴史の中で出てきた岩を僕らは登らせていただいているだけだから、それを登ったとか言って公に発表して自己顕示欲を満たすような気が起きないって言うか。

だったらコンペに出て「誰々に勝った!」って言ったほうがよっぽどいいし。「ファット・ブロッカー」を発表したのはボクの中では失敗だったと思っている。「対=岩」だから、僕はシットダウンスタートで高さ50センチの岩でもいい、極端な話。

B.net--トポとか書くのに大変そうな限定のヤツ?
とんでもない限定とかして「これを限定するなんてどういう神経だ!」っていわれそうな課題も自分一人でやれば迷惑かけないって言うような意味での?

KEI 僕が登って発表しない。で、僕は登った場合チョークも何も綺麗に拭いておとしてくるから、たぶん誰かがそこを登ったら初登だと思うだろうね、でも僕はそれに対して「オレが登ってる」と言うつもりはない。

”墓場”まで持っていく?

KEI うん、ダブルスタンダードになっちゃうから。

もし、やるならその覚悟が必要って事?この先、状況が変わって自分がヨボヨボになって過去の記録が欲しくなっても絶対に言わないっていう?、でもオレは発表してほしいけどね(笑)。


KEI いろんな雑誌に聞かれるけど、なぜボルダリングをやっているかと言うと、やっぱり”心”の、”心、技、体”の中の心の扉を開くために僕はやっているから。ま、技と体は十分自分の中で、、ここで世界レベルって言っても「ウソつけ、この!」って言われるかもしれないけど、別に僕の中ではあるカテゴリーの中ではそこそこ良いセンいってるなって思うし。

で、その時に次何を求めるかって言うと、やっぱ心の部分で、心の部分を求めはじめた時に「あ、心の扉の前に立たされてるな」と、こっからが僕のボルダリングのスタートだから。
そん時にスタートするにあたって何かルール、モットーを決めなきゃならなかった、その時に出てきたのが課題を発表しないっての、僕の場合。

やっぱ、「そこで人が死んだらなあ・・・」ていう事。
もし、僕がこれから課題を発表してそこで誰か死んじゃったらボクはボルダリングをやめちゃうと思う。


いろんな考え方があるねえ、普通は公開された課題で失敗して誰か死んじゃってもそれは登ったヤツ本人の責任、自分の力量を見て判断すればいい。これはクライミング界の不文律でクライマーの間ではそれで済むと思うしそうでなきゃ困る、トライした本人の責任。

KEI うん。

でも今後、現実としてそういう伝統と違うところで育った人がそういう考えを持つとは限らないのかもしれない、その時の事も考えておかないといけないのかも?

KEI うん、ただ、僕は極端なタイプだからまん中でいれないのね。スタンダードでいれない「アンダーグラウンド」で僕は闘っているから。いま”コンペに出ない”、”他人の課題を登らない”って事はやっぱアンダーグラウンドだから、徹底的にアンダーグラウンドのほうがいいだろうと、どっちかって言うとボクはそういう表向きに出るタイプじゃないから。

出てるじゃん(笑)

KEI コンペだってこまるじゃん、大きなスポンサーとかついて、イレズミだらけのヤツとかが登ってきたら、日本は(笑)。

記録の発表に関してだけど、山の世界でもそういう人は昔からいるんだけど、中には「記録にこだわらない」みたいな事言って発表しなかったらしい人が後で誰かがそこを登ると「そこ、オレが登ってる」とかどっかで言いだす事があったりして正直すごく見苦しいのね、そういうの。「やなヤツだなコイツ」とか思ったりしてたから、どうしてもやるなら墓場までもっていってもらわないと。

でも、皆が自由に登れる岩の記録は全クライマーの共有財産だから登ったら発表してほしいって立場に変わりは無いよ(笑)。

KEI この先、もしボクがたとえば「発表したい」って思った時にはボルダリングネットジャパンさんのホームページで頭下げます(笑)。

まってる(笑)


KEI ボクの課題て極端なのが多いから、だからやってて「面白く無い」って思う人もいると思う。

アレは好みだから・・・、

KEI ムーブの限界なのか、ホールドに耐えられる限界なのか。

ボクはどっちかって言うと「人間がどこまでのホールドに耐えられるか」って言うか、その限界を追い求めちゃってるから。手数もこの間作ったの・・、「作った」っておかしいな、登った岩か。発表してないけどたぶん三段・・以上、だと思うな。
それなんかもたった4手なんだけど、もう「4手しかで出ない」って言う世界あるでしょ?

ああ、なるほど。

KEI でえ、のぼった時にはもう爪剥がれてる(笑)。

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