激論!チッピングは悪魔の囁き!?
BBS参加者の声
(1)12月6日〜
用語解説
●リードルート=下からロープで確保されてのぼるルート、
●チッピング=クライミングにおいては岩を人為的に削ってホールドをつくり出す行為を指す。
●開拓=はじめて岩場を登れるように整備する事、ルート開拓と言えばルートを作る事、またはこの二つの総称。
●グルーイング=一般的にはグルー(接着剤)で剥がれそうなホールドを固めてしまう事。
●ハンガー設置=岩に穴を開けてボルトを打つ事、ハンガーとは本来は埋め込みボルトのパーツでカラビナを通す穴のある部分。ここでは埋め込みボルトそのものを指しているようだ。
Let's talk about it! 投稿者:kiori 投稿日:12月06日(月)02時46分21秒
登れたらなんでもええのか。
チッピングやグルーイングがどうしてクライミングなんだろう。
俺は自然の中でのクライミングが好きだ。自然の岩には時空を超えた偶然性がある。
例えばV5の課題があるとする。その岩のそのライン部分には偶然にも何千年ひょっと
したら何万年も前からその課題のホールドがあって、それが今クライマーによって
ムーヴが解き放たれる。キザな言い方かもしれないが、俺にとってクライミングは時空
を超えた遊びだと思っているし、そんな遊びにロマンも感じるし、誇りに思っている。
見える奴にはラインやムーヴが見える。時空を超えたパズルがそこにはあるんだから。
それを解ける奴が登ればいい。そうでない奴はそこはほっとけばいい。そこに「出会い」
はなかったものとして。
クライミングがグレードだけだと思って登ってる連中にはわかってもらえないかもし
れない。登れたら何をしてもいいと思ってるみたいだから。けど存在価値のあるムーヴ
っていうのはどういう意味だろう。価値っていうのは人間が勝手に決めるものやろ。
岩にあるムーヴは時空を超えて実際存在しつづけているものやで。それが解らん奴は
その存在を傷つけてはアカンわな。チッピングやグルーイングはそうしたムーヴの存在
を消すものやと俺は思う。
5.14でも5.10でもチッピングやグルーイングはムーヴをつくる行為ではない、それは
ムーヴの抹殺行為やと俺は思うで。
ここの掲示板に書き込んでいる人や読んでる人はどういうクライミングをしてますか?
コラムのショートストーリーを読まれた方も多いでしょう。掲示板上でいろいろこれ
についてみんなで考えてみませんか。
Re:Let's talk about it! 投稿者:C 投稿日:12月06日(月)10時06分30秒
小生はチッピングやグルーイングを肯定するものでは有りません。勿論否定しま
す。しかし、kioriさんの言われるような事には賛同出来かねます。
現在大ぴらに行われているルートのためのハンガーの設置が、kioriさんの言う
「その岩のそのライン部分には偶然にも何千年ひょっとしたら何万年も前からその
課題のホールドがあって、それが今クライマーによってムーヴが解き放たれる」将
にその課題を絶対に破壊していないとは言えないはずです。自然の岩を刻むと言う
行為自体を見れば、チッピングと変わりません。もっと言えば、その人の引いたラ
インのために、もっと面白い興味のわく課題が殺されてしまっている、このことは
あまり問題にされない。
でも、チッピングとハンガーの設置は違うとされています。そして、それが現在
は万人に受け入れられています。
ただ、それだけでしょう。それでいいんじゃないですか。
自然保護を訴えながら、種の絶滅の危機を訴えながら、天然痘や狂犬病のウイル
スを絶滅させることには口をつぐんでいる、そういう団体がいっぱいあります。小
生はそう言うのって見苦しいと思っています。人間にとって都合のいい自然だけを
保護するのだと、堂々と言えばいいじゃないですか。
話題がそれてしまいましたが、別に大それたお題目なんて必要無いのではないで
すか?皆さんの合意でやってはいかんとされるものはやってはいけないのだ、それ
でいいのではないですか。泥棒だって、殺人だって、その人の所属する集団や国に
よって違ってくるのですから。オームのサリンだって、国がやれば正当化されるの
ですから。
どうせならハンガーも否定して下さい。そして、ルートはナチュプロ或いはフリー
ソロのみ、いや、ボルダリングが最高! とかっこよく言ってください。
クライミングの話をしよう 投稿者:kiori 投稿日:12月06日(月)11時53分27秒
俺の書き込みを読んでこれが「自然保護」からの意見と解釈されたなら俺の
書き方が悪かったかな。全くちがいます。
チッピングやグルーイングが自然を破壊すると言っているのと違う。
チッピングやグルーイングがクライミングを破壊すると言ってる。
ボルダリングにしたってロープクライミングにしたってクライミング界を一歩出れば
その全ての行為が自然を傷つけてるととられても仕方ないこと。それを問題にしたら
この遊びは成り立たないし、他の人間の行為すべてそうでしょう。
けどクライミングをしてる我々はその世界にいてんねんから
チッピングとボルト打ちがレベルが違うこと位わかってるやろ。このテーマを論じる時は
クライマーであるという点から論じるべきである。自然保護云々では話はできへん。
カテゴリーを問わずよいクライミングという行為はあるがままを登ることでしょう。
登りたいラインが見えて行けるように考えて、それに挑戦する。そういうシンプルな遊び。
チッピングやグルーイングはそれを否定する行為です。クライミングをする者がチッピング
やグルーイングをすればその挑戦自体なくなる。これはクライミングじゃない。
「チッピングを否定するならボルトも否定しろ」という意見もどうだろう。
こういう発想こそ、Cさんのいうナンセンスな「自然保護論」です。
俺らはこのクライミング界に直接かかわっている者なのだからそんな
こんな極論で話をすべきではない。
ハンガーの設置はクライマーの妥協です。この遊びを追求する上での「クライマー」の
妥協です。だからこそルートを登る時はできるだけ打たないですむようむっちゃ考える。
それがわからん連中がやったらめったらルートができればええっちゅうことで
打ちまくって「だらけたルート」が増えている。
これだって「クライマー一般にボルトは許されている」という理由でほっておくべきこと
じゃない。この延長上にボルダーへのトップロープ用ボルト設置とかいう問題が
あるのだから。
クライマーであるが故にこういう話をもっとすべきだと思う。
「大したお題目」なんですよ。話をして日本のクライミング界にとって何が悪い行為か
ちゃんと形づくっていくべきだ。「オームのサリンだって国がやれば正当化される」
かもしれない。けどそういう国に日本のクライミング界を俺はしたくないな。
クライマーズアイランドに俺達は今いてる。国づくりは一生懸命住人のクライマーが
していくべきことではないだろうか。
まずはチッピングとグルーイングの話をもっとしよう。実際「よくないこと」と思って
いる人はたくさんいてるのに起きていることなんだから。
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