激論!チッピングは悪魔の囁き!?
BBS参加者の声

(4)12月7日〜

用語解説

●リードルート=下からロープで確保されてのぼるルート、
●チッピング=クライミングにおいては岩を人為的に削ってホールドをつくり出す行為を指す。
●開拓=はじめて岩場を登れるように整備する事、ルート開拓と言えばルートを作る事、またはこの二つの総称。
●グルーイング=一般的にはグルー(接着剤)で剥がれそうなホールドを固めてしまう事。


Re.許容範囲 投稿者:kiori  投稿日:12月07日(火)03時17分20秒

問題はどこで線を引くかというとこが多くの人にあまり理解されていないとこだと思う。
「岩を削ったら岩登りではない、人工壁だ」という話も岩で登るのも人工壁で登るのも
同じやって思っている人には線の引きようがない。またLeoさんの地元クライマーの様に
岩場を人工壁代わりに使っている連中にはぜんぜん説得力がないよなー。

俺は思うんだけどそもそもなんでみんな登んの?
登りたいラインを落ちずに登りきりたいからやろ?
ボルダリングだってルートだってそれは変わらんやんな。
登れんかったら登れるようになる努力をする。ムーヴを一生懸命考えたり、
トレーニングをしたり。そしてまたそのルートなりプロブレムに再挑戦するわけやん。
岩を削ったその瞬間にその挑戦から逃げたことになる。負けたことになる。
人工壁だって言うてみりゃ同じで、セッティングされたプロブレムなりルートが登れん
といって勝手にホールドかえたらもうそのルートでなくなるのと同じやろ。

逆にルートを難しくするためのチッピングの場合はそいつのエゴ以外なにもんでもない。
5.11のルートは一番やさしい登り方をして5.11なわけでそれはそれで受け止めればいい。
5.12が欲しけりゃ5.12になるとこを拓けばええだけ。そういうラインを見出せないのは
そいつにそういうクライミングの目がないだけ。目を持っていてもなかなかラインとの
出会いがないことも勿論ある。けどそれも運命やって。

スタイルについてわKばやし氏はええこと言ってます。「開拓者と同様、もしくはさらに
よいスタイルで再登したい」という気持ちがクライミングを発展させていくし、個人の
レベルも上げていくと思います。みんながこういう気持ちで登って欲しいなー。

あと、最後になりましたが、Leoさんの書き込みへの返信みたいなものも書いてみました。しかし長い!もしよければメールにして送りますけど、どうしましょ?


返信 投稿者:プログレス  投稿日:12月07日(火)10時53分31秒

 Kioriさん、その返信私も聞きたいです。
実は岩にめぐまれない地方クライマーだった時期があり、
この話題は特に地方では避けて通れない事のように思います、
この場でも結構ですよ。

悩める人へ(その1) 投稿者:kiori  投稿日:12月07日(火)12時01分49秒

では、ちょっと長くなりますがLeoさんの書き込まれた「削っている人達のその理由」に
1つ1つ俺の思うことを書いてみます。足りない部分とかわからんとか
違うんちゃうとかあったらまた書き込みしてください。

1. クライミングレベルアップのためのチッピング
人工壁があるとないとでは確かにレベルアップなりレベルの維持なり差が
出てくるでしょうね。けど人工壁というのは実は簡単にできるものなんですよ。
別にリードウォールが必要でもない。実際レベルが上がってるクライマーは
ボルダリングウォールでのトレーニングをしている人が多い。コンパネ6枚位のスケールで
十分です。そういうホームボルダーは平山君やルグランもやってたでしょ。
彼等だけでなく、話題の大ちゃんかてもともとは実家にホームボルダーをつくって基礎を
築きあげてきたんだから。関西でも一番うまい連中は「マーシー道場」という
個人ウォールでトレーニングしてます。ある意味ではジムよりも効率のいいトレーニングが
できます。それにホームボルダーを作るのは都会よりも田舎の方が作れる環境が
あるんじゃないでしょうか。都会はいろいろ住宅事情とかあってなかなか作りたくても
つくれません。平日はホームボルダーでトレーニング、週末はまだ登れぬルートに
トライってのは実現不可能ではないと思います。岩を削らずがんばってトレーニングを
つんでぜひ自然が与えてくれたパズルを解いていってくださいよ。

2. おもしろいムーヴをつくるチッピング
俺も今まで世界中登りまくって来たので職人芸とも言えるチッピングホールドを
見たことがあります。確かに知らんかったらそのまま登ってしまうでしょう。
けど「わからんかったら何をしてもええ」ということはないと思います。
それをチッピングと知らずに登る人は悪くない。知ってて登るのは良くない。
意識の問題です。
それにチッピングをせずその部分が登れた時の方が楽しいはずですよ。
チッピングしてもうたらその楽しみはなくなるんやから。いろんなムーヴを
ホームボルダーで蓄積し、その経験と技術を総導入して自然のラインにチャレンジする
べきです。本当におもしろいって感じるのはそうやってできた時に感じるんちゃうかな。

3. 浮き石撤去によるホールドの出現
浮き石を落とす行為は開拓ではOKということになってますが、これも意識の問題です。
「落としたくないけど危ないから落とす」とハンマーを振る度に考えるべきです。
最近は当たり前のようにバンバン落としたり、中にはこのガバあったらやさしすぎると
いう理由でハンマーを振ってる連中もいる。クライマーはハンマーを手にした瞬間
自分のクライミングの質を一つ下げたと思うべきだと思う。それを認識した上で
クリーニングをすべきです。


悩める人へ(その2) 投稿者:kiori  投稿日:12月07日(火)12時03分09秒

4. ローカルの権限
そうですね。地元の人が労力や時間を費やしているのだから地元の人にまかせるのが
一番です。しかし何もしらない人がその岩場を訪れ、「あールートはあーやって
ホールドを削ってつくるんだ」って理解して他でも削ったりするといったことにも
なります。影響力があることを忘れてはいけないと思います。
あと、「お前はよそもんやから口出すな」と言われても口を出さずにはいられないです。
俺は岩を登る人やし登る対象は世界中の岩です。おかしいんちゃうって思うことには
どんどん聞いていきます。Leoさんは地元の人なんだからできればしっかり話をしたら
いいと思います。

5. 初心者も登れるルートづくり
初心者も登れるグレードを削ってまで作ることは初心者のためにはならないと思います。
そりゃ初心者や初級者だから登れないルートもたくさんあると思います。
けどそれを目標にがんばることが大事だし、そうしたチャレンジする楽しさを
中級者や上級者は伝えていかないといけないと思います。
ホールドが持てないならなぜ持てないのか考える、バランスが合わなければバランスを
合わせようと努力する。削ってしまってはそういう努力の過程をビギナーレベルの人達から
奪ってしまうことになると思う。苦労して登れるから楽しいし、やりがいもあると思う。
削ってまで登れるラインを引くことの方がある意味では初心者や初級者の
クライミングを楽しむ権利を犯しているような気がします。
クライミング経験を持った者が一生懸命ルートにチャレンジしている姿が見れる環境が
ビギナーには大切で、削ってまでして自分好みに岩を変えている姿を見せているようでは
育つ者も育たないです。

6. 安全最優先主義
クライミングは遊びです。それはレベルに関係ない。けどこの遊びを真剣にやってる連中も
いることを忘れないでほしいです。半端な遊び心でクライミングをやっているなら
真剣に遊んでる人の迷惑になるようなことはすべきではないと思います。
これはグレードのことではありません。クライミングの姿勢です。
今までクラックはナチュラルプロテクションで登られていた。何年も前のクライマーが
出来て今のクライマーがボルトに逃げていてはこれはクライミングの衰退です。
この現代においてもボルトに逃げないクライマーはいてる。わKばやし氏のコメントにも
あったように。そういうクライマーのクライミングの方がボルトに逃げている
クライマーのクライミングよりも位置付けは上だと思うし、そういうクライミングの
じゃまをしてはいけないですよ。強者の理論と言われるかもしれないけど。
それにナチュプロは正しい知識と技術で安全なものとなります。遊びで怪我をしないため
にもこうした知識と技術の習得が必要でしょう。安易なトップロープやボルトクリップを
やっている人の方が事故が多いの知ってますか?
あと、クラックにボルトを打ってナチュプロでやるならボルトは無視しろといいますが、
ナチュプロでいけるところにボルトはやっぱり必要ないでしょう。ボルトルートだって
10本のボルトルートに恐いから後10本打ち足して「10本でやりたい人は2本に1本は
無視してください」っていうようなもんやで。ナンセンスです。

実際ナチュプロでやる人、またはボルダリングをやる人はとても安全対策に関しては
真剣です。誰も危険を求めてやってはいません。安全はこれで確保できる。先人達のやり方
は間違っていないと判断しておこなっているわけです。ボルトやトップロープをするなと
言っているわけではなく、それをする前に現在のクライマーとしてそれがよいスタイル
かどうか「考えて」おこなうことが大事だと思います。

クライミングは恐いものです。けど経験を積んでいきその恐さや重圧の中で
自分をコントロールすることを覚えていきます。やばかったらやらない、
大丈夫なら行くという判断力は安易なトップロープや安全のためというボルト乱打ルートで
は養えません。そっちの方が長い目で見たときには危ないと思いますよ。

かなり長くなりましたがこれが俺の意見です。Leoさんなりに考えてみて、地元のクライマーと上記の件で話をすることがあればしっかり話してみてはいかがでしょうか?
また、書き込みを読んだ人、遠慮なくこれに対する意見も書き込んでください。

あと、Leoさんへ個人的なことですが、ホームボルダーのトレーニングというのもなかなか
最初はわからないと思います。もしもホームボルダーをみんなで作ってトレーニングと
いうことになればなんでも聞いてください。
これでもいろんなトレーニングをしてきましたんでいろいろ助言できると思います。

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